犬の問題行動って、すぐ
「しつけ不足」
「甘やかしすぎ」
「飼い主が悪い」
って言われがちなんだけど、実際現場にいると、それだけじゃ説明つかない子も普通にいる。
前に見た子で、脳の影響による運動障害が疑われる子がいた。
その子は学習自体はできる。
言葉もある程度理解してるし、こちらの反応も見れてる。
でも、とにかく動きに違和感があった。
例えば、開いてる扉を通ろうとする時。
普通の犬なら自然に空間把握して身体を通すんだけど、その子は扉の横の壁に勢いよくぶつかる。
しかも一回じゃない。
最初は焦ってるのかなとも思ったけど、見てるとそういう感じじゃなかった。
距離感覚とか空間認識そのものにズレがある感じだった。
こういう子を見ると改めて思う。
犬って、「やらない」のと「できない」がある。
でも世の中、全部「しつけ」で説明しようとする人が結構多い。
もちろん、接し方で改善する問題も沢山ある。
実際、飼い主側が変わっただけで激変する犬もいる。
でも、訓練でどうにかなる範囲を超えてるケースもある。
神経系だったり、感覚処理だったり、脳の問題だったり。
なのに、そういう部分を見ずに、
「厳しくすれば治る」
「舐められてるだけ」
「主従関係」
で片付けるのは、正直かなり危ないと思ってる。
本人は反抗してるんじゃなく、そもそも正常に処理できてない可能性もあるから。
そういう子に強い圧をかけ続けると、余計に状態が悪くなることもある。
萎縮したり、パニックになったり、フリーズしたり。
でも逆に、最近は最近で、何でもかんでも「障がいっぽい」で片付けられる犬も増えた気がする。
人への警戒が強かったり、落ち着きがなかったり、コミュニケーションがうまく取れないだけで、すぐ“特性”として扱われるケースもある。
もちろん、本当に感覚過敏や神経系の問題が疑われる犬もいる。
でも実際には、
社会化不足だったり、
過去の経験だったり、
環境ストレスだったり、
単純に人との関わり方を学ぶ機会が少なかっただけだったりする事も全然ある。
しかも、「この子は障がいだから」で終わると、本来伸ばせる部分まで止まる事がある。
私は少しの期間だけど、知的・精神障がい者のグループホームで働いてた事がある。
その時にすごく感じたのが、
“できない”と“やらない”は違う
って事だった。
外から見ると理解不能に見える行動にも、その人なりの理由や、感覚のズレや、不安や、処理の難しさがあったりする。
逆に、周りが「この人には無理」と決めつけすぎて、本当はできる事まで奪われてるケースもあった。
それって犬も少し似てると思ってる。
犬は喋れない。
だからこそ、人間側の思い込みで、
「反抗的な犬」
「障がいのある犬」
「問題犬」
って決められてしまう事がある。
でも、本当にそうなのかは、ちゃんと見ないと分からない。
その子が何に困ってるのか。
何が理解できて、何が難しいのか。
経験不足なのか、感覚の問題なのか。
そこを見極める前に、全部を“性格”や“しつけ”で片付けてしまうのは違うと思ってる。


