「愛犬ともっと分かり合いたい」「一緒に暮らす毎日を安心で快適にしたい」——ほとんどの飼い主さんは、そんな思いから訓練を始めたはずです。
けれど気づかないうちに、その目的が「犬を思い通りに従わせること」にすり替わってはいませんか?
訓練の本質は「言うことを聞かせる」ことではありません。
人と犬がお互いを理解し、信頼関係を築くことです。
そのためには、犬にとって楽しい経験を積ませることも大切ですが、それだけでは足りません。
犬には「我慢する力」や「嫌なことを受け入れる経験」も必要です。
病院、ケア、散歩中の制御——犬が自分の思い通りに動けない場面は必ずあります。そこで我慢を教えていなければ、犬も飼い主も大きなストレスを抱えることになるでしょう。
「楽しさ」と「我慢」、この両方をバランスよく教えていくことこそ、本当の訓練です。
訓練を通じて愛犬が学ぶのは、ただ従うことではなく、人と暮らす力そのもの。
最初に抱いた目的を忘れずに、もう一度「なぜ訓練をするのか」を見直してみませんか?