「うちの子に、もっと犬同士の社会性を身につけさせたい」
そんな思いから、犬の幼稚園を検討される飼い主さんは多いと思います。
ただ、中には犬を同じスペースに放して、自由に遊ばせるだけの幼稚園もあります。人はあまり介入せず、しつけのコマンド(以下「指示」)も教えないスタイルです。一見、自然な犬同士の関わりに見えますが、じつはこれが思わぬトラブルの種になることも。
例えば、遊んでいるうちに一方の犬が興奮して、相手にしつこくちょっかいを出すことがあります。本来なら「まて」などの指示でクールダウンさせるのが理想ですが、何もせずに犬同士に任せてしまうと…。
相手の犬は逃げ回り、追いかけられる側のストレスはどんどん蓄積。最終的に我慢の限界を超えて、ガブッ!なんてこともありえます。
こうした経験が積み重なると、「犬は怖い」「他の犬に会うと嫌なことが起きる」と学習してしまい、かえって犬同士の関係が苦手になってしまうこともあるのです。
私は犬の幼稚園を経営しているわけではなく、出張訓練をメインに行っていますが、お客様の中には、こういった幼稚園での経験が原因で、社会化に失敗してしまったケースも少なくありません。せっかくの社会性トレーニングが逆効果にならないよう、幼稚園を選ぶときは方針やスタッフの関わり方をぜひチェックしてください。